幻の10Rふたりマニアックツアー〈阪神競馬場救護室〉

やんややんやの10Rパツキンパドックのお馬さんも引け〈4足白ブーツの貴公子〉フィレンツェ君をどう買おうかと考えていたところ突然お腹がキリキリ痛み出した。4月だしぃ〜と薄着をしたのがいけなかった。『や、やばいト、トイレへ』と立ち上がったら頭がクラクラ…次に目を開けたら地面が見えた。
『担架!たんか!』『車いす!』と叫ぶ緑の人…
頭大丈夫ですかっっっ!?と耳元でいつものTさば…

どうやら…貧血起こしてブッ倒れていたらしい(大恥)

あとで聞いたところわらわらと心配気に人が集まってきて、投票締めきりのアナウンスと共にサーーーーッと散って行ったとか…ははは…分かりやすいがかなり恥ずかしい状況…なのだが当人としてはそんなことに構う余裕もなく『大丈夫ですかっ?!立てますかっっ?!』と声をかけられてもどうにも身体が動かず頭を振るのが精一杯。とそこに通りすがりのお医者さまらしき方が脈をとって下さり『脚を高くして休めば大丈夫』と言い残し去って行かれた…見知らぬ人の親切は身に染みるものだぁと実感した次第。ありがとうございました。と、こんなへき地で感謝を込めて言ってみる(滝汗)

あっと言う間に乗せられた生まれて初めての担架に『重くてすいませんすいません』と緑の人に手をあわせつつ〜運ばれた救護室。血圧を測り、しばらく温かくして横になっているように女医さんに言われたのだがとにかく寒い…こういう時はカイロに限ると恐る恐るいつものTさばに『カイロ売ってないかなぁ』と聞くと『ありますっ!カイロ!』とごそごそと鞄の中から魔法の様に取り出される…『お茶ある?』と言うと『はいっ!』と伊右衛門が出てくる。この時程彼女の、時に過剰な危機管理体制(いつ遭難してもいい様にとナゼかスティックシュガーを持ち歩いておられる)をありがたく思った事はなく、これからは喫茶店でシュガーを鞄に忍ばせても嗜めるのはヤメます…はい。また、ツレとしてはかなり凹む状況にも関わらず『こんな所はめったに来れない』とはしゃぐ大らかさにも感謝なのであります♪

ベッドの中、介護されてる側としては例えば其処が映画館なら『いいよ、寝てるから映画見といで〜』とか、水族館なら『イルカショー見といで〜』とか言えるのだが(なぜにイルカ?)いかんせん競馬場である。しかも救護室で『馬券買っておいで〜』と言うのもどうかと悩み『フィレンツェとサンバレンティンの復勝をたんまり買って来て…』などと言うのは論外で、救護室にも容赦なく聞こえてくるレース実況に92しかなかった血圧はきっと正常にもどったと思われ、緑の人に住所と電話番号を聞かれ咄嗟に『で、電話はしないで下さい』と掠れた声で言ったところ『いや、手続き上必要なので』とあっさり言われ顔色もすっかり戻ったような気がしたのは気のせいでは無い…と、思う。

…そんな波乱万丈な4月初めの競馬場ではありましたが…以前、ヒリュ(寂)を見に行ったじゃじゃ降りの京都競馬場のパドックで階段から思いきり滑って倒れたまま動けなくなったオジさんがいた。雨のパドックは人も疎らでどうしたものかとオロオロしていたら側のオジさんが『警備員呼んでっ!』と後ろを向いて叫ばれた。それを受けて階段の中階にいたオジさんが後ろを向いて『警備員!』またそれを受けて上階にいたオジさんが…まるで点呼のごとくスムーズに緑の人に声が届き…そして側のオジさんがこっちを向いて一言『じぇーあーるえーも金持っとんネンから滑らんようにしたったらエエのにナァ』と気の毒そうに言われたことを思い出した。

勝負を賭けたガテンな場所ではありますが時に人の暖かみを感じるところでもあるのです。

阪神10R道頓堀S
1着タガノデンジャラス(安藤勝己)←Tさばに敬意を表して
2着サンバレンティン
3着フィレンツェ
…戒めの為ここに記す
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